ASTRA

悪名高き”あの男が再び日本のリングを襲う。柔道から総合格闘技に転向した泉浩のデビュー戦の相手を務め、見事なKOで泉を葬った男、アンズ・“ノトリアス”・ナンセンである。
ナンセンの悪名はストリートファイトにおいて、負け知らずだったことから付けられ、ニュージーランドではこのナンセンの悪名伝を知らない者はいないとまで言われるようになっていったという。そんなナンセンだが、ある日、人生の師ともいえる男と出会うことになる。その男の名はジェイソン・サティ。サティの初来日はK-1REVENGE96だ。
当時は「ジェイソン信長」と名乗っていた。現在のK-1WORLD MAXの礎となるミドル級ワンマッチで世界最強の呼び声の高かったイワン・ヒポリットからダウンを奪っての判定勝利で世界にその名を轟かせた。そのサティはニュージーランドに帰国後、やがてヘビー級に転向。しばらくはK-1のヘビー級戦線で戦っていたが、現在は主に後進の指導にあたっている。そんなサティの傑作品とも言うべき男がナンセンなのだ。
　K-1を含むキックボクシングのキャリアが50戦以上あるサティと一番弟子のナンセンは絆が深い。なぜならば、二人ともサモア系移民であるからだ。民族特有の血の結束力と信頼関係でサティに育て上げられたナンセンはストリートファイト同様、キックボクシングとムエタイでも連戦連勝で頂点に上り詰めた。